2025/09/16野々山 善雄

瀬戸物祭で出会った「暮らしのアート」

せともの祭-作家の器

先日の「せともの祭」で、陶芸作家・渡辺紗千(わたなべ さち)さんの器に出会いました。
たくさんのお店や作品が並ぶ中で、この器に目が留まり、気づけば手に取っていました。

器の内側には、焼成の過程で生まれた自然な模様が広がっています。
銀色に光る部分や、青みを帯びた斑点、ところどころに見える黒い焦げ跡。
まるで宇宙の星雲を覗き込んでいるようで、ひとつとして同じ景色はないんだろうな…と思うと、特別感が増してきます。

せともの祭-作家の器

外側はざらっとした土の感触で、素朴で落ち着いた雰囲気。
内側は光の加減で表情が変わり、飲み物を注いだときや料理を盛りつけたときに、また違う顔を見せてくれそうです。
こういう「日常の中で少しの発見がある器」って、本当に長く付き合いたくなります。

「せともの祭」では、伝統的な焼き物から新しい感覚の作品まで幅広く出会えます。
その中で渡辺さんの器は、土の持つ素朴さと、現代的な感覚の両方を感じさせてくれました。
「暮らしに寄り添うアート」って、こういうものなんだなと実感しました。

ただ眺めているだけでも心が和む器。何を盛り付けようか、どんな飲み物を注ごうか。
これからこの器をどう育てていこうかと考えるだけで、日々の暮らしが少し豊かになった気がします。

たくさんの器の中から「これだ」と思えるものに出会えるのは、まさに一期一会。
「せともの祭」という素晴らしい場所で、渡辺紗千さんという作家さんの素敵な作品と出会えたことに感謝しています。

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