2017/01/15渡辺 明寛

工芸品と家づくりの発想

今日は、住工房の渡辺です。
先日、「神代桂菱紋重糸目筋箱」という
寄木細工の工芸品をテレビで見ました。

寄木細工でできた美しい模様の面に薄い神代桂の木皮を貼り付け、
木皮を格子状に削っていくのです。
すると格子状の縦の隙間から美しい寄木の模様が見えるというわけです。

その美しさもさることながら、私が興味を持ったのは、その発想です。
その技法を思いついたきっかけは、作者の本間昇さん(85歳)が
幼い頃に母が作ってくれた”のり弁当”だそうです。

その頃は食糧難の時代。
弁当箱を開けると海苔が敷いてあって、その下に梅干しが隠れてた。
黒い海苔の割れ目から赤い梅干しが垣間見えることにワクワクしたそうです。

箱根寄木細工の箱

箱根寄木細工の箱
箱根寄木細工の箱

工芸品というのは、技を継承していかなくてはなりません。
どんなに卓越した技を持っていても、それだけにこだわっていては進歩がない。
その中で、今の時代に生きていくモノを作っている「。
それには、ワクワクしながら考えることも必要だということを
番組の中でおっしゃっていました。本当に同感です。

住工房では、家づくりの技を生かしながら
壁の模様や床の質感、生活を便利にするための家のあらゆる仕掛けを
「使ってみたらどうだろう」「住んでみたらどうだろう」と
ワクワクしながら発想しています。
是非、一度ショールームにお越しください。

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